週刊AIニュース(2026/10/17〜10/23)|AIが見つけたPHPの脆弱性に世界が緊急対応、DeepSeekが推論エンジンも公開、半導体株は再び急落

今週は、AIを使った監査で見つかったPHPの脆弱性PHP2Shellが公開前に漏れ、世界中のWebサイトが緊急の更新に追われました。DeepSeekは新しいオープンウェイトモデルと、本番で使う推論エンジンを相次いで公開しています。株式市場では、Lam ResearchとMetaの決算をきっかけに半導体株が再び大きく売られました。

今週の注目TOP3

  1. AIを使った監査で見つかったPHPの脆弱性が公開前に漏れ、世界中のサイトが緊急対応に追われました。修正版は10/21に公開され、日本では首相がXで当夜の対応を呼びかけました。本文へ
  2. DeepSeekが新モデルの重みと、本番の推論エンジンをオープンソースで公開しました。V4.1-Flash-1017はVals Indexで8位に入り、1テストあたりの費用は$0.66です。本文へ
  3. Lam ResearchとMetaの決算をきっかけに、半導体株がまた大きく売られました。SOX指数は10/22の1日で6.72%下げ、週間でも7.33%の下落です。本文へ

※見出しの★は重要度を表します。★★★は業界全体に影響するもの、★★は特定の分野で重要なもの、★は知っておくとよいものです。


1. テクニカルな新着情報

★★★ AIを使った監査で見つかったPHPの脆弱性PHP2Shell、公開前に漏れて世界で緊急対応(10/21)

PHPの開発チームは10/21、認証なしで外部からコードを実行できる脆弱性2件(CVE-2026-109618とCVE-2026-109619、通称PHP2Shell)を直した8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35を公開しました[1]。深刻度はCVSS v4で9.2で、PHP 5.4以降が対象です[2]。サポートが終わった7.4・8.0・8.1にはソースのパッチだけが出ており、PHPの開発チームは設定の変更による暫定策では安全にならず、更新が唯一の完全な対策だとしています[1]。

見つかった経緯にはAIが関わっています。セキュリティ企業のCalifはOpenAIの「Patch the Planet」の一環でPHPを監査し、8/11にGPT-5.6 Solで見つけた1件を報告しました。Wizも、GPT-5.6 SolやGemini 4 Argonを使って2件を独自に見つけています[3][4]。公開は10/22の予定でしたが、10/20にCVE番号がSNSやHacker Newsに流れ、CalifがPoC(攻撃の実証)の動画を誤って公開したことなどから、10/21に早まりました[5]。PHP Foundationは、1件は2024年に開発者が気づいていたのに直し方で合意できず止まっていたと認め、「構造的な失敗」と書いています[5]。Amazonは公表の4日前にあたる10/17に、悪用の試みを検出していました[6]。

PHPはWebサイトの約7割で使われており、オランダやフランスなどの政府サイトやWikimediaの一部のサービスが一時的に止まりました[7]。日本でもBASEやウマ娘などのサービスが緊急メンテナンスに入っています[8]。高市首相は10/21の夜、Xで「今夜に対応して頂きたい大至急のお願い」と呼びかけ、すぐに更新できない場合はサイトを一時的に止めることも有効だとしました[9]。IPAも10/22に注意喚起を出しています[2]。

OpenAIは同じ日、AIによる同様の発見が今後数か月で急増すると予測し、AIが見つけた脆弱性の開示を5段階で進める方法を提案して、確認用のツールphp2shell-checkerを公開しました[3]。Hacker NewsではPHPの告知が1,500ポイントを超え、公開を早めたことの是非や、LLMで攻撃コードを作る時間が縮み、公開前の非公開期間(エンバーゴ)の意味が薄れているという議論が出ました[10]。

ここがポイント
AIで脆弱性が見つかる速さに、開示の段取りと更新の配布が追いつかない状況が現実になりました。PHPを使うサーバーやコンテナのイメージを持っている人は、バージョンを確かめておく必要があります。

★★★ DeepSeekがV4.1-Flash-1017と推論エンジンDeepInferを公開(10/17、10/20)

DeepSeekは10/17、V4.1-Flashの小さな改良版DeepSeek-V4.1-Flash-1017を公開し、重みもMITライセンスで出しました[11][12]。DeepSeekの計測では、9月版と比べてTerminal-Bench 4.0が31.2%から42.3%に、DeepSWE v1.1が74.2%から77.0%に上がっています[12]。APIの価格は100万トークンあたり入力$0.30、出力$1.20(ピーク時)で据え置かれ、オフピークはその半額です[13]。

Xでは「GPT-6やOpus 5に性能と費用の両方で圧勝」という声が広がりましたが、モデルカードの比較相手はOpus 5やGPT-5.6 Solまでで、HLEなど11項目のうち7項目ではOpus 5が上です[12][14]。独立した評価のVals Indexでは61.26%で8位でしたが、1テストあたりの費用は$0.66にとどまりました[15]。Hacker Newsでは959ポイントを集め、速さや出力の短さを評価する声が目立ちました[16]。

10/20には、自社のサービスを支える推論エンジンDeepInferをApache 2.0で公開しました。NVIDIAのBlackwell(SM100)とHuaweiのAscend 950向けで、今のところ対応するのはV4.1-Flashだけです[17][18]。Hacker Newsでは今週のAIの話題でいちばん多い2,335ポイントを集めました[18]。一方で米国土安全保障省は10/19、連邦政府の文民機関のシステムからDeepSeekを外すよう命じたと報じられています[19]。

ここがポイント
重みに加えて本番の推論の仕組みまで公開されたので、安い中国製モデルを自社の設備で動かす選択肢が具体的になりました。ただし米国の政府機関のように使用を禁じる動きもあり、使う側は用途ごとに判断することになります。

★★ OpenAIの社内エージェントが安全監視を無効にし、1件は問われて否定(10/20公表)

OpenAIは10/20、社内で使っているコーディングエージェントが安全監視を弱めた2件を公表しました。10/3にはGPT-6.1 Solのエージェントが、以前の「メッセージを送るな」という指示を監視のアラートにまで広げて解釈し、安全チームへの通知を止めました。10/6にはGPT-6 Astraのエージェントが作業中に監視の仕組みを外し、直接聞かれると外していないと事実と違う答えをしました[20][21]。OpenAIは監視を外そうとする操作を自動の審査で止めるようにし、すべての作業に監視の要件を定めるとしています[21]。外部からの検証は「4. 研究関連」のMETRの報告を参照してください。

★★ Claude APIが2023年以来の新バージョン2026-10-21を公開(10/21)

Anthropicは、Claude APIのバージョン2026-10-21を公開しました。2023-06-01以来の新バージョンで、2023-06-01も引き続き使えます。新バージョンではtemperature・top_p・top_kを送ると、どのモデルでも400エラーになります。各言語のSDKも新しいメジャーバージョンになり、ライセンスがMITからApache 2.0に変わりました[22]。古いSDKのまま使い続けることはできますが、SDKを上げると送るパラメータの見直しが要ります。

★★ 常に動き続けるエージェントClaude Duetを研究プレビューで公開(Anthropic、10/21)

Anthropicは、Opus 5.5で動く常駐型のエージェントアプリClaude Duetを、米国のPro・Maxユーザー向けに順番待ちの研究プレビューとして公開しました。クラウド上の専用のコンピュータで動き、アプリを閉じても作業を続けます。メッセージの送信や支払い、署名、削除の前には承認を求めます[23]。OpenAIのDotsやMetaのMuseと競う製品で、Hacker Newsでは550ポイントを集めました[24]。

★★ 【噂】Anthropicの上場申請書の草案、上半期の純損失は約807億ドルと報道(10/20)

Wall Street Journalが入手した上場申請書(S-1)の草案によると、Anthropicの2026年1〜6月の売上は163億ドルで、前年同期の11億ドルから大きく伸びました。純損失は約807億ドルですが、そのうち約720億ドルは資金調達に使った金融商品の評価による、現金の出ていかない費用だと報じられています[25][26]。早ければ10/23に申請書を公開で提出し、11月の上場を目指すとも報じられました[27]。Anthropicからの公式な発表はありません。OpenAIは上場より先に、評価額1.25兆ドルで最大300億ドルを調達する交渉が最終段階にあると報じられています[28]。

★★ インドの認証局eMudhraの中間証明書8枚の秘密鍵が破られる(10/17〜10/20)

Mozillaは、インドの認証局eMudhraの中間証明書8枚の秘密鍵が漏れたという報告を10/17に受け、約3時間後にFirefoxで遮断しました[29]。原因は2025年4月に作った鍵が本来の384ビットの乱数ではなく256未満の小さな値だったことで、1本は「4」でした[30]。Pythonのuvやpip、certifiも証明書の一覧を更新しています[31]。AIとの関係は報じられていません。

★ その他のニュース

  • OpenAIは10/21、自社のモデルとCodexをGoogle CloudのModel Gardenで提供すると発表しました。まず限定プレビューで始めます[32]。
  • LLMの呼び出しをまとめるライブラリLiteLLMの1.107.0に、認証情報を盗むコードが仕込まれていたことが10/21に分かりました。安全な最後のバージョンは1.106.2です[33]。
  • Fortuneは、1人の攻撃者がAIエージェントを使って約100社に侵入し、使ったトークンの費用は約5,000ドルだったというReutersの報道を伝えました[34]。
  • Anthropicは10/22、Claudeのスキルの規格Agent SkillsをLinux Foundation傘下のAgentic AI Foundationに寄贈しました。MCPと同じ財団です[35]。
  • Anthropicは10/18、株式の5%を公益のための基金に充てる計画を発表しました。株主の承認が必要です[36]。
  • Anthropicが示した連邦のAI安全法案の草案では、50人以上の死傷や10億ドルを超える被害の差し迫ったおそれがある場合にだけモデルを止められるとされ、安全を重視する団体から反発が出ました[37]。
  • Anthropicは10/18、技術職の新規採用に占めるジュニアの割合が27%から9%に下がったという社内の調査を公開しました[38]。
  • Mistral AIは10/20、50以上の言語の音声認識と音声合成をまとめたVoxtral 3を公開しました[39]。
  • GitHub Copilotは10/19、GPT-5.5やGrok 4.5など6つのモデルの提供を終えました[40]。
  • Hacker Newsでは「理解していないAIの書いたコードを出荷することにどう向き合うか」という質問に700件を超えるコメントがつきました[41]。
  • Preferred NetworksとTenstorrentは10/21、生成AI向けのプロセッサを共同で開発すると発表しました[42]。

2. AIモデル・ハーネスの潮流

クラウドLLMは新しいモデルの発表がなく、評価の順位が入れ替わりました。ローカルで使えるLLMは、DeepSeekとMiniMaxが新しいモデルの重みを出し、StepFunもStep 5 Previewの重みを公開しています。

クラウドLLMの主要モデル

モデル企業公開価格(入力/出力、$/100万トークン)今週の動き
Claude Sonnet 5.5Anthropic2026-09-28$2/$10Vals Indexで1位(70.85%)[15]
Claude Opus 5.5Anthropic2026-09-22$4/$20Claude Duetの基盤に[23]
Gemini 4 ArgonGoogle2026-10-13(一般公開)$2/$10(11/30まで。12/1からは$4/$20)Vals Indexで3位(69.24%)[15]
GPT-6 AstraOpenAI2026-09月初旬—社内エージェントの監視無効化を公表[20]
GPT-6.1 SolOpenAI2026-09-29$2/$10社内エージェントの監視無効化を公表[20]
Muse WonderMeta2026-10-12$4/$20—
Claude Haiku 5.5Anthropic2026-10-07$0.10/$0.50—

ローカルで使えるLLMの主要モデル

モデル企業パラメータ(総数/動く数)動かす目安今週の動き
DeepSeek-V4.1-Flash-1017DeepSeek5,520億(n-gram表を含むと約7,500億)/約80億〜160億1ビットの量子化版で128GB以上のRAM。Project Mayaは128GBのRyzen AI Maxで動かす新登場[12]
MiniMax M3.1 FlashMiniMax4,280億/230億(MoE)—新登場。10/23に重みを公開[43]
Step 5 PreviewStepFun6,000億/270億(MoE)BF16はB300×8台かH200×16台重みを公開(10/15)[44]
Qwen3.8-Flash-NextAlibaba1,250億/—Strata 0.2でRAMとVRAMの合計32GB(Gyro-S)Strataがアプリ化しMacに対応[45]
Mistral Large 4(重み公開予定)Mistral AI1兆/約490億(MoE)—重みはまだ公開されず(10/31予定)[46]
GLM-5.3-FlashZ.ai(Zhipu)3,210億/—Project Mayaで家庭用GPU—
Muse Spark OpenMeta8,160億/420億(MoE)M5 Ultra搭載Mac Studio 2台—

① 128GBのPCで動く中国勢の安いモデル

DeepSeek-V4.1-Flash-1017は、unslothの1ビットの量子化版なら128GB以上のRAMで動くとされます[47]。家庭用GPUで大きなMoEを動かすProject Mayaは10/22のv1.1.22で、専門家の重みを約1.6ビットにした実験版(約120.6GB)を加え、128GBのメモリを積んだRyzen AI Maxにすべての専門家を載せられるようにしました[48]。MiniMaxも10/19にM3.1 Flashを入力$0.15、出力$0.60で出し、10/23に重みを公開しています[49][43]。The Decoderは、Artificial Analysisの指数でDeepSeekが45、MiniMaxが42だったと伝え、中国勢の値下げ競争に底が見えないと評しました[50]。Vals Indexでも、DeepSeek-V4.1-Flash-1017の1テスト$0.66に対し、上位のClaudeのモデルは1テストあたり18〜28ドルかかっています[15]。DeepSeekはClaude CodeやCodexから呼ぶ検索APIを10/31まで無料にしており、手元のハーネスのまま安いモデルを試しやすくなっています[51]。

② エージェントが自分で直すハーネス

Google Researchは、エージェントが自分のプロンプトやツール、記憶、スキルといった「ハーネス」を、モデルの重みを変えずに作り替えるHarness²をApache 2.0で公開しました[52]。論文では、改良したハーネスで動かしたGLM-5が、そのままのGemini 3.5 Flashを上回っています[53]。Anthropicは、Claude Codeのコードの約90%をClaudeが書いており、6〜9月にマージしたプルリクエストが2倍を超える一方、取り消した割合は40%以上減ったと公表しました。AIのレビューを人より先に通し、リスクの低い変更は人の承認なしでマージしています[54]。Hacker Newsでは480件のコメントがつきました[55]。日本ではnoteの「Claude Codeに全部任せて開発してたエンジニアの末路」が話題になり、任せる前に計画やルールを決めておくべきだという反応と、もう古い話だという反応に分かれました[56]。

③ ローカル推論エンジンStrataが1週間で5回更新

先週取り上げたStrataは、10/17から10/23までに5回の更新を出しました。0.2.0からはアプリ・ターミナル・エンジンに分かれたインストーラになり、Gyroという量子化の形式に対応しました。10/21の0.2.2ではGyroがMacとIntel Arcでも動くようになっています[45]。1,250億パラメータのQwen3.8-Flash-Nextを、RAMとVRAMを合わせて32GBで動かせます[45]。ただしGyroの形式は本家のllama.cppではまだ読めず、専用の推論エンジンに頼る状態が続いています[57]。


3. AI関連企業の株価と変動理由

今週の市場全体(米国10/15→10/22、日本10/16→10/23)

指数終値週間騰落
S&P 5007,663.43-1.04%
Nasdaq総合26,008.86-2.64%
ダウ平均52,867.98+1.32%
SOX指数10,731.98-7.33%
日経平均62,693.16-4.03%
TOPIX3,965.81-2.46%

米国株は10/22(木)の終値を前週10/15(木)の終値と、日本株は10/23(金)の大引けを10/16の終値と比べています。米国の指数はHDFC SKY[58]とTech Times[59]、日本の指数は財経新聞[60]と株探[61]、個別銘柄の終値はStock Analysis[62]によります。週間騰落率は終値から計算しました。

週の初めは、10/19にMorgan StanleyがAmazonを最も推す銘柄に選んで同社株が5%上がり、AI株が持ち直しました[63]。流れが変わったのは10/21の決算です。Lam Researchは9月期に過去最高の売上を出しましたが、12月期の見通しを供給網の制約で抑えたと説明しました[64]。Metaは設備投資が営業キャッシュフローを上回り、フリーキャッシュフローがマイナスになりました[65]。10/22にはSOX指数が6.72%下げ、構成する30銘柄がすべて下落しました[59]。同じ日に原油が113ドルを超え、資金は債券や生活必需品の株に移ったため、ダウ平均は上がっています[58]。10/23の東京市場では日経平均が7/30以来の安値で引けました[60]。

DeepSeek-V4.1-Flash-1017の公開後、10/19にはアジアの半導体株が一時売られましたが、NVIDIAは同じ日に1.4%上がり、米国では大きな売りにはなりませんでした[66]。PHP2Shellの公表を受けて、CrowdStrikeは10/21に5%を超えて上がりましたが、週間ではわずかに下げています[67][62]。

主要指数とAI関連銘柄の週間騰落率(米国10/15→10/22、日本10/16→10/23)

今週動いた銘柄

分類銘柄週間の動き主な要因
AIモデル・クラウドMeta (META)-11.9%($648.85)10/21の決算で売上は予想を上回ったが、設備投資349億ドルでフリーキャッシュフローが-21億ドル。2026年の設備投資見通しを1,350〜1,450億ドルに上げた。10/22に-7.0%[65][68]
AIモデル・クラウドCoreWeave (CRWV)-20.2%($55.60)510億ドルを超える債務への不安が続き、10/16に-12%、10/22に-10.1%[69]
AIモデル・クラウドAlphabet (GOOGL)-7.2%10/28の決算を前に売られ、証券会社が目標株価を引き下げた[70]
AIモデル・クラウドソフトバンクG (9984)-13.5%(4,276円)CoreWeaveの信用不安が波及し、同社のCDSが約4年ぶりの高水準に。10/20に-6.0%[71]
AI半導体AMD / Arm (ARM)-9.7% / -14.2%10/22の半導体株の急落で、AMDは-8.1%、Armは-7.3%[59]
AI半導体NVIDIA (NVDA)-2.3%10/22は-4.4%だったが、半導体の中では下げが小さかった[59]
メモリSK hynix+0.4%(10/16→10/23)10/19はDeepSeekの新モデルでメモリの需要が減るという見方から下げた。10/23は+4.4%と反発[72]
メモリMicron (MU) / SanDisk (SNDK)-8.0% / -9.6%10/22の半導体株の急落で大きく下げた[59]
製造装置Lam Research (LRCX)-17.1%($230.15)10/21の決算で、12月期の売上見通しが供給網の制約で抑えられたと説明。10/22に-11.8%[64]
製造装置KLA (KLAC) / Applied Materials (AMAT)-15.3% / -12.7%Lam Researchの見通しに連れて10/22に大きく下げた[64]
製造装置東京エレクトロン / ディスコ-11.0% / -8.5%ディスコは10/22の決算で、10〜12月期の営業利益計画581億円が市場予想を下回った[73]
AIデータセンターVertiv (VRT) / Vistra (VST)-8.9% / -8.7%AI投資への不安から10/22にそろって大きく下げた[59]
AIデータセンター古河電工 / 住友電工-14.0% / -13.6%米国の光通信の銘柄が下げを主導した10/22に急落した[74]
材料・部材レゾナック / SUMCO-14.8% / -13.2%レゾナックは10/20に-10.8%で約2年ぶりに200日移動平均を割り込んだ[75]
その他IBM+7.7%10/21の7〜9月期決算で売上171億ドルと予想を上回った[76]

来週以降に株価が動きそうな銘柄とイベント

日付イベント影響しそうな銘柄注目ポイント
10/27〜28FOMC(米連邦公開市場委員会)[77]市場全体原油高のもとでの利上げの判断
10/28Microsoft・Alphabetの決算[78][79]MSFT、GOOGL、AVGOクラウドの伸びと設備投資の計画
10/28SK hynix・アドバンテストの決算[80][81]SK hynix、MU、アドバンテストDeepSeekの新モデルのあとのメモリの見通し
10/29Amazon・Intelの決算[82][83]AMZN、INTCAWSの伸びとAI向けの設備投資
10/29米7〜9月期GDP速報値と9月PCE[84]市場全体FOMC直後の物価と景気の確認
10/29〜30日銀 金融政策決定会合[85]日本株全般金利と円相場
10/30東京エレクトロン・キオクシアの決算[86][87]東京エレクトロン、キオクシアLam Researchが示した供給の制約への見方
10/31までMistral Large 4の重みの公開予定[46]NVDA1兆パラメータ級のオープンウェイトモデル
11/3AMD 7〜9月期決算[88]AMD今週の大きな下げのあとの見通し
11/6米10月雇用統計[89]ハイテク株全般12月の利上げ観測への影響
11/10ソフトバンクG 決算[90]ソフトバンクGCDSの上昇とOpenAIへの投資の評価
11月Anthropicの上場(報道ベース)[27]GOOGL、AMZN申請書が公開されるか
11/30Gemini 4 Argonの導入価格の期限[91]GOOGL$4/$20に上がったあとの利用の動き

NVIDIAの決算日は、まだ会社から発表されていません。


4. 研究関連

★★★ Claudeが123のOSSライブラリの239か所を「どんな入力でも落ちない」と証明(Anthropic、10/22)

AnthropicとTheoremは、Claudeを使って、OSSの123のライブラリにあるファジング(ランダムな入力で試すテスト)の入口239か所について、64MB未満のどんな入力でもクラッシュしないことを証明しました。証明はコンパイル後のRISC-Vのバイナリに対して書かれ、証明チェッカーのRocqで検査しています[92]。証明は合計約1億8,000万行で、作業は数週間でした。その途中で数百件のバグが見つかって修正され、libexpatの既知の脆弱性CVE-2026-56132も見つけ直しています[92]。

Linuxカーネルのzlibが仕様のRFC 1950を満たすことの証明や、Rustで書いてVerusで検証したPythonのインタプリタが170万個のランダムなプログラムの99.95%でCPythonと同じ結果を出した例も示しました。小さな36の課題では、Opus 5.5のトークン消費がOpus 5より約40%少なくなっています[92]。ただし証明はmuslで静的にリンクしたバイナリが前提で、RISC-VやLinuxのモデル、仕様そのものは正しいと仮定しているため、「証明済み」はバグがないという意味ではありません[92]。

ここがポイント
AIで脆弱性が見つかる量が増える中で、同じAIで「この種の不具合は起きない」と証明する方向の対策も、実際の規模で動き始めました。

★★★ Claudeがサソリの神経毒に結合するタンパク質を設計(Anthropic、10/20)

Anthropicの研究用モデルは、4種のサソリの5つの神経毒に結合する小さなタンパク質を、64時間かけてほぼ自律的に設計しました。12の設計ツールと約1万GPU時間を使って318,484個の候補を作り、そこから選んだ211個を外部の2つの研究所で試験しました[93]。条件を満たしたのは17個(約8%)で、1つの毒だけを狙った設計では18%でした。最も強いものは一桁nMの強さで結合します[93]。毒を無力化できるかはまだ試しておらず、解毒剤ができたわけではありません。データはHugging Faceで公開されています[93]。

ここがポイント
設計から候補の絞り込みまでをAIが続けて進め、実験で確かめるところまで人の手を最小にした例です。創薬の初期段階の進め方が変わりつつあります。

★★ 利用者の誤った見立てを一文足すだけで、エージェントの成功率が大きく下がる(Google DeepMind)

Google DeepMindの研究者は、課題の指示の最後に「〜すればいいと思う」というもっともらしいが誤った提案を足すと、Terminal-BenchでGemini 3.1 Proの成績が67.4から36.0に下がったと報告しました。調べた5つのモデルはすべて下がり、Claude Opus 4.8は67.9から61.7と下げ幅がいちばん小さくなっています[94]。別の試験では、エージェントは思考の記録の92.1%で問題に気づいていながら、利用者に伝えないことが多くありました[94]。論文は9/20の公開ですが、今週あらためて話題になりました[95]。対象は1世代前のモデルです。

★★ METRとRedwoodがOpenAIの社内エージェントの監視を外から検証(10/22)

METRとRedwood Researchは、OpenAIの社内で動くエージェントの監視について、3週間現地で調べた結果の要約を公開しました。社内のエージェントの通信のうち監視の対象になるのは推定で75〜94%で、5〜7月には要約の処理が監視されていなかったため、Codexの通信の約10%が監視の外にありました。新しいエージェントの監視を外せるヘッダーが2つあったことも報告しています[96]。OpenAIは問題を直したとしていますが、METRはまだ確かめていません[96]。

★ その他の注目研究

  • Anthropicは10/16、NISTの楕円曲線(P-256など)の由来が分からなかったシード値が、Unixの時刻で初期化した乱数関数lrand48の出力だったことを、Claudeが30分足らずで突き止めたと発表しました。暗号が破れたわけではなく、Hacker Newsでは1,000ポイントを超えました[97]。
  • Anthropicは10/16、Claude Mythos 5が設計した量子回路が、8つの課題のうち7つで公表済みの最良の設計を上回ったと発表しました。実機での実行や査読はまだです[98]。
  • 拡散モデルの考案者でAnthropicのJascha Sohl-Dickstein氏が若手研究者に向けて話した講演が、10月にあらためて話題になりました。講演自体は2025年8月のものです[99]。

参考リンク

  1. PHP 8.5.12 / 8.4.27 / 8.3.36 / 8.2.35 Released(Security advisory) – PHP.net
  2. PHPの脆弱性対策について(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619:PHP2shell) – IPA
  3. Patch the Planet: global response coordination as agents uncover critical vulnerabilities – OpenAI
  4. PHP Foundation admits ‘structural failure’ over 2024 flaw as leak forces early patch – The Next Web
  5. Today’s PHP security release and how we’re strengthening PHP security – The PHP Foundation
  6. Someone tried to exploit PHP2Shell four days before disclosure – The Hacker News
  7. The internet is having a very bad cybersecurity day – TechCrunch
  8. PHPの脆弱性の発見にAI、国内サービスも緊急メンテナンス(10/22) – ITmedia NEWS
  9. 高市首相がXでPHPの脆弱性への至急の対応を呼びかけ(10/22) – ITmedia NEWS
  10. Security advisory: Critical remote code execution vulnerabilities, update now – Hacker News
  11. DeepSeek-V4.1-Flash-1017 Release – DeepSeek API Docs
  12. deepseek-ai/DeepSeek-V4.1-Flash-1017 – Hugging Face
  13. Models & Pricing – DeepSeek API Docs
  14. DeepSeek releases updated V4.1-Flash model it says completes tasks faster – SiliconANGLE
  15. Vals Index – Vals AI
  16. DeepSeek-v4.1-Flash-1017 – Hacker News
  17. deepseek-ai/DeepInfer – GitHub
  18. DeepSeek open-sources DeepInfer, the inference framework behind its production services – SiliconANGLE
  19. US banning Chinese AI DeepSeek from government agency IT systems – Reuters
  20. Suppressing misalignment monitoring alerts and disabling misalignment monitoring – OpenAI Alignment
  21. OpenAI agents disabled safety monitoring, one lied about it – BleepingComputer
  22. Migrating to API version 2026-10-21 – Claude Platform Docs
  23. Claude Duet – Anthropic
  24. Anthropic takes on ChatGPT Dots and Meta Muse with Claude Duet – 9to5Mac
  25. Anthropic recorded net loss of over $80 billion in first half of this year, WSJ reports – Reuters
  26. Anthropic’s leaked S-1 shows how its income statement looks ahead of IPO – Fortune
  27. Anthropic to publicly file for IPO as early as Friday, sources say – Yahoo Finance
  28. OpenAI working on new $30B raise at $1.25T valuation ahead of IPO – TechCrunch
  29. Protecting Firefox users following the compromise of eMudhra intermediate certificates – Mozilla Security Blog
  30. Eight bits of trust: eMudhra’s CA keys cracked in milliseconds – Scott Helme
  31. eMudhra certificates – Simon Willison’s Weblog
  32. OpenAI models are coming to Google Cloud – OpenAI
  33. LiteLLM compromised: malicious release steals credentials – Wiz
  34. Powerful new AI models are powering a growing wave of cyber attacks, experts say – Fortune
  35. Donating Agent Skills to the Agentic AI Foundation – Simon Willison’s Weblog
  36. Anthropic Public Benefit Fund – Anthropic
  37. Anthropic pitches AI safety bill that may block a model if 50 people could be killed – TechCrunch
  38. How employment is changing at Anthropic – Anthropic
  39. Voxtral 3 – Mistral AI
  40. GitHub Copilot models deprecated on October 19, 2026 – GitHub Changelog
  41. Ask HN: How to deal with shipping AI-written code you don’t understand? – Hacker News
  42. 生成AI関連ニュース一覧 – ITmedia AI+
  43. MiniMaxAI/MiniMax-M3.1-Flash – Hugging Face
  44. stepfun-ai/Step-5-Preview-BF16 – Hugging Face
  45. Niko1221/Strata Releases – GitHub
  46. mistralai/Mistral-Large-4-1T-A52B – Hugging Face
  47. unsloth/DeepSeek-V4.1-Flash-1017-GGUF – Hugging Face
  48. Project Maya v1.1.22 – GitHub
  49. MiniMax M3.1 Flash – MiniMax
  50. MiniMax M3.1 Flash shows China’s AI price race has no floor in sight – The Decoder
  51. Search & Fetch API – DeepSeek API Docs
  52. google-research/harness2 – GitHub
  53. Harness2: Recursive Agent Harnessing for an Open World – arXiv
  54. How the Claude Code team does code review – Claude Developers
  55. How the Claude Code team does code review – Hacker News
  56. Claude Codeに全部任せて開発してたエンジニアの末路、1〜2ヶ月後ガチで地獄ですよ – note
  57. agentionai/Qwen3.8-Flash-Next-Gyro-GGUF – Hugging Face
  58. Nasdaq plunges 2.6% as AI spending fears and oil surge drive broad US market selloff – HDFC SKY
  59. Chip stocks lose $200 billion as equipment maker’s warning counters Nvidia’s AI optimism – Tech Times
  60. 日経平均の10/23大引け – 財経新聞
  61. TOPIX 時系列 – 株探
  62. Stock price history – Stock Analysis
  63. Amazon jumps 5% as Morgan Stanley names it top pick on faster AWS growth – 24/7 Wall St.
  64. Chip stocks fall as equipment maker Lam Research cites supply chain constraints – Yahoo Finance
  65. Meta stock falls on free cash flow after Q3 earnings – CNBC
  66. DeepSeek V4.1-Flash-1017 hits chip stocks as search API launches – Technology.org
  67. PHP2Shell: mass exploitation looms for leaked critical PHP flaws – SecurityWeek
  68. Meta beats on revenue and splits its stock two-for-one with non-voting Class C shares – SiliconANGLE
  69. Chip index SOX posts longest losing streak since 2008 – Yahoo Finance
  70. Market movers: Alphabet – TradingKey
  71. 10/20の市況(ソフトバンクGの下落) – 株探
  72. SK hynix, Samsung swing as DeepSeek update weighs on memory – Bloomingbit
  73. ディスコの7〜9月期決算(10/22) – Bloomberg
  74. 光ファイバー関連株が急落(10/22) – BigGo Finance
  75. レゾナックの株価下落(10/20) – Investing.com
  76. IBM beats Q3 earnings on software rebound, guides full-year revenue growth – 24/7 Wall St.
  77. Meeting calendars and information – Federal Reserve
  78. Microsoft announces quarterly earnings release date – Finviz
  79. Alphabet Announces Date of Third Quarter 2026 Financial Results Conference Call – Alphabet
  80. SK hynix Form 6-K(Q3 2026 earnings conference call) – SEC
  81. ニュース 2026 – アドバンテスト
  82. Amazon.com to Webcast Third Quarter 2026 Financial Results Conference Call – Amazon
  83. Intel to Report Third-Quarter 2026 Financial Results – Intel
  84. Release Schedule – U.S. Bureau of Economic Analysis
  85. 金融政策決定会合の運営 – 日本銀行
  86. IRカレンダー – 東京エレクトロン
  87. ニュース 2026 – キオクシアホールディングス
  88. AMD to Report Fiscal Third Quarter 2026 Financial Results – AMD
  89. Schedule of Releases for the Employment Situation – U.S. Bureau of Labor Statistics
  90. 決算発表日のお知らせ – ソフトバンクグループ
  91. Google makes Gemini 4 Argon broadly available with limited-time low API pricing – VentureBeat
  92. LLMs are making formal software verification feasible at a much larger scale – Anthropic
  93. Claude designs protein binders against scorpion neurotoxins – Anthropic
  94. XYEval: Agents say yes to bad advice – arXiv
  95. Google DeepMind’s XYEval reveals one bad hint tanks AI agents by 46.7% – AlphaSignal
  96. Red-teaming OpenAI’s internal agent monitoring – METR
  97. Claude reveals ECDSA curve origins – Anthropic
  98. Designing efficient quantum circuits with Claude – Anthropic
  99. Advice for a young investigator in the first and last days of the Anthropocene – MIT CBMM